介護士の夜勤明け
夜勤明け…。
それは、戦いのあとに訪れる“世界がゆっくり回って見える魔の時間”。
今この瞬間、私は「生けるゾンビ」と化している。眠い。もう、すべてがふわふわしている。むしろこの床が布団に見えてくるレベル。
今朝も無事(かどうかは微妙だが)夜勤を終えた。オムツ交換6回、ナースコール20回、巡回∞回、幻覚対応3回、ついでに自分の意識も何度か飛んだ。まさに“体はひとつ、求められるのは三人分”。介護士とは、ある種の超能力者なのではと錯覚する朝。
朝6時。早番が出勤してきた瞬間、天使に見える。「おはようございます!」の声が、讃美歌に聞こえる。
でもこちらは顔が死んでるので「お…よ…ざ…っす…」とゾンビ発声。笑顔のつもりが、たぶん引きつってた。
7時。朝食介助スタート。「さあ、これが最後の山場だ!」と自分に喝を入れる。
しかし、Sさんがご飯と味噌汁を混ぜて「これはカレーか?」と聞いてくる。「惜しい!」と答えたけど、そのまま食べてくれたから結果オーライ。
Tさんはパンの袋を開けずに食べようとしており、「それパッケージですー!」と突っ込む余力もほぼなし。もう何が何でも「無事食べてくれたらOK」という朝のゆるルールが発動中。
7時30分。記録を書こうとパソコンに向かうが、文字が二重に見える。いや、指がもはやキーボードに当たらない。タイピングではなく、ほぼピアノ。入力欄に「おおおおおおお」と謎の文字列が並び、慌てて消すが「Backspace」キーがどこか分からない。
なぜなら、脳みそがスリープモード。
7時45分。申し送り開始。早番スタッフに昨夜の出来事を伝える。が、言葉が全然出てこない。
「えーと、Oさんが…あの…あれです、トイレ、いや違う、冷蔵庫開けて…」と、断片的な語彙を駆使。もう早番さんがエスパーであることに期待するしかない。
8時。ようやく「お疲れ様でした?!」の声が。魔法の言葉。でも、「はいお疲れ様でした?!」と爽やかに返す元気はゼロ。心の中ではガッツポーズ。でも顔は死んでる。
帰り支度中、ロッカールームで“夜勤明けあるあるトーク”が始まる。
「帰ったら風呂入る前に寝そう」
「昼ご飯まで起きてられる気がしない」
「なんで夜勤って1日が3倍に感じるのかな?」
「てか今が何曜日か分からん」
たいていこの会話すら夢だったんじゃないかと、帰宅途中で思う。
そしていざ帰路へ。目を開けているのがつらい。電車の中では立ったまま寝かけて、一瞬よろける。カフェに寄ってコーヒーでも…と思うが、レジで「ご注文は?」と聞かれ、「えーと…おむつLサイズ…」と言いそうになった自分が怖い。もう完全に脳内は夜勤モードから切り替わらず。
家に到着。ベッドに倒れ込み、「ちょっとだけ横になろ…」と思ったのが最後。
目が覚めたら午後3時。顔にはシワシワの枕跡、髪は爆発、スマホは胸の上で停止。
それでも思うのだ。「ああ、今日もがんばったな、私。」
それは、戦いのあとに訪れる“世界がゆっくり回って見える魔の時間”。
今この瞬間、私は「生けるゾンビ」と化している。眠い。もう、すべてがふわふわしている。むしろこの床が布団に見えてくるレベル。
今朝も無事(かどうかは微妙だが)夜勤を終えた。オムツ交換6回、ナースコール20回、巡回∞回、幻覚対応3回、ついでに自分の意識も何度か飛んだ。まさに“体はひとつ、求められるのは三人分”。介護士とは、ある種の超能力者なのではと錯覚する朝。
朝6時。早番が出勤してきた瞬間、天使に見える。「おはようございます!」の声が、讃美歌に聞こえる。
でもこちらは顔が死んでるので「お…よ…ざ…っす…」とゾンビ発声。笑顔のつもりが、たぶん引きつってた。
7時。朝食介助スタート。「さあ、これが最後の山場だ!」と自分に喝を入れる。
しかし、Sさんがご飯と味噌汁を混ぜて「これはカレーか?」と聞いてくる。「惜しい!」と答えたけど、そのまま食べてくれたから結果オーライ。
Tさんはパンの袋を開けずに食べようとしており、「それパッケージですー!」と突っ込む余力もほぼなし。もう何が何でも「無事食べてくれたらOK」という朝のゆるルールが発動中。
7時30分。記録を書こうとパソコンに向かうが、文字が二重に見える。いや、指がもはやキーボードに当たらない。タイピングではなく、ほぼピアノ。入力欄に「おおおおおおお」と謎の文字列が並び、慌てて消すが「Backspace」キーがどこか分からない。
なぜなら、脳みそがスリープモード。
7時45分。申し送り開始。早番スタッフに昨夜の出来事を伝える。が、言葉が全然出てこない。
「えーと、Oさんが…あの…あれです、トイレ、いや違う、冷蔵庫開けて…」と、断片的な語彙を駆使。もう早番さんがエスパーであることに期待するしかない。
8時。ようやく「お疲れ様でした?!」の声が。魔法の言葉。でも、「はいお疲れ様でした?!」と爽やかに返す元気はゼロ。心の中ではガッツポーズ。でも顔は死んでる。
帰り支度中、ロッカールームで“夜勤明けあるあるトーク”が始まる。
「帰ったら風呂入る前に寝そう」
「昼ご飯まで起きてられる気がしない」
「なんで夜勤って1日が3倍に感じるのかな?」
「てか今が何曜日か分からん」
たいていこの会話すら夢だったんじゃないかと、帰宅途中で思う。
そしていざ帰路へ。目を開けているのがつらい。電車の中では立ったまま寝かけて、一瞬よろける。カフェに寄ってコーヒーでも…と思うが、レジで「ご注文は?」と聞かれ、「えーと…おむつLサイズ…」と言いそうになった自分が怖い。もう完全に脳内は夜勤モードから切り替わらず。
家に到着。ベッドに倒れ込み、「ちょっとだけ横になろ…」と思ったのが最後。
目が覚めたら午後3時。顔にはシワシワの枕跡、髪は爆発、スマホは胸の上で停止。
それでも思うのだ。「ああ、今日もがんばったな、私。」