介護士の家族様対応〜認知症の入居者の言う事を信じるご家族〜
今日は久々の“嵐の予感”がする日。
なぜなら、例のご家族様がいらっしゃる日だったからだ――そう、“入居者の話を100%信じるマン”のお嬢様だ。
午前10時、いつも通り巡回していたら、フロアのインターホンから声がした。
「あの〜!母から聞いたんですけど、昨夜この施設で“監禁”されたって本当ですか?」
はい、出ました。認知症あるある、現代版“ホラーな記憶の創作劇場”。
慌てて出迎えに行くと、娘さんが不安げな表情でスマホを片手に立っている。
「うちの母が電話してきて“職員が全員黒ずくめで鍵をかけて閉じ込めた”って言ってたんです。…まさか、そういうプレイですか?」
あの、ここは介護施設であって、スパイ映画の撮影現場ではありません。
冷静に説明を試みる。
「実際には、夜勤者が通常通り巡回しておりまして、Nさん(お母さま)はしっかり眠っておられました。ただ…夜中に“隠し通路から脱出する夢”を見られたみたいで…」
「えっ、でも“冷たい床に寝かされていた”って…」
それ、たぶんお布団蹴っ飛ばして勝手に冷たくなったパターンです。
こちらとしては、“人肌布団”をご提供してますが、キック力は我々の想定をはるかに超える。
そして追い打ちの一言。
「母が“お風呂でシャワー代を取られた”って言ってたんですが?」
まさかの課金制!?
一瞬、「シャワー10分100円」と書かれた妄想の料金表が頭に浮かぶ。
「もちろんそんな請求はしておりませんし、お風呂はすべてご利用料金に含まれておりますよ」とお伝えすると、
「ですよねぇ〜、でも母、すごくリアルに言ってたので…」と、まだちょっと信じてる。
もはや、“認知症リアリズム小説”をお母さまが日々口述筆記してるレベル。
ちなみに先週は、「この施設、夜になると床が傾いて船になる」と話されたらしく、
「転倒リスクの一環かと思って…」とご家族様ガチで傾斜チェックに来ていた。
それは“夢の中のタイタニック号”です。沈没もしてませんし、ディカプリオも出てません。
でも、責められない。
認知症の方の言葉は、感情にリアリティがあるから信じたくなるのも分かるのだ。
こちらは毎日、事実と幻想の間を行き来してる介護ワンダーランドの住人。
「信じたい気持ち」と「現実の状況」を、どうバランス取ってお伝えするかがプロの腕の見せ所。
ご家族様も、最終的には「…母、話を盛ってるのかな」と気づき、「ま、でも元気でよかったです」と笑って帰られた。
その時、Nさん(お母さま)はというと、昼食中に「この味噌汁、昨日も出たよ。私は全部覚えてるの」とドヤ顔。
10分前に同じ話3回目だったけど、その記憶力に敬意を表して「さすがです!」と返す私。
今日も、現実と空想の境界線でゆれる認知症ケアの最前線。
「全部信じちゃうご家族」も、「話を盛りまくる入居者さん」も、
そしてそれを全力で受け止める私たち職員も、全員が物語の登場人物。
…明日はどんな新しいファンタジーが飛び出すのか、少しだけ楽しみにしている私がいる。
なぜなら、例のご家族様がいらっしゃる日だったからだ――そう、“入居者の話を100%信じるマン”のお嬢様だ。
午前10時、いつも通り巡回していたら、フロアのインターホンから声がした。
「あの〜!母から聞いたんですけど、昨夜この施設で“監禁”されたって本当ですか?」
はい、出ました。認知症あるある、現代版“ホラーな記憶の創作劇場”。
慌てて出迎えに行くと、娘さんが不安げな表情でスマホを片手に立っている。
「うちの母が電話してきて“職員が全員黒ずくめで鍵をかけて閉じ込めた”って言ってたんです。…まさか、そういうプレイですか?」
あの、ここは介護施設であって、スパイ映画の撮影現場ではありません。
冷静に説明を試みる。
「実際には、夜勤者が通常通り巡回しておりまして、Nさん(お母さま)はしっかり眠っておられました。ただ…夜中に“隠し通路から脱出する夢”を見られたみたいで…」
「えっ、でも“冷たい床に寝かされていた”って…」
それ、たぶんお布団蹴っ飛ばして勝手に冷たくなったパターンです。
こちらとしては、“人肌布団”をご提供してますが、キック力は我々の想定をはるかに超える。
そして追い打ちの一言。
「母が“お風呂でシャワー代を取られた”って言ってたんですが?」
まさかの課金制!?
一瞬、「シャワー10分100円」と書かれた妄想の料金表が頭に浮かぶ。
「もちろんそんな請求はしておりませんし、お風呂はすべてご利用料金に含まれておりますよ」とお伝えすると、
「ですよねぇ〜、でも母、すごくリアルに言ってたので…」と、まだちょっと信じてる。
もはや、“認知症リアリズム小説”をお母さまが日々口述筆記してるレベル。
ちなみに先週は、「この施設、夜になると床が傾いて船になる」と話されたらしく、
「転倒リスクの一環かと思って…」とご家族様ガチで傾斜チェックに来ていた。
それは“夢の中のタイタニック号”です。沈没もしてませんし、ディカプリオも出てません。
でも、責められない。
認知症の方の言葉は、感情にリアリティがあるから信じたくなるのも分かるのだ。
こちらは毎日、事実と幻想の間を行き来してる介護ワンダーランドの住人。
「信じたい気持ち」と「現実の状況」を、どうバランス取ってお伝えするかがプロの腕の見せ所。
ご家族様も、最終的には「…母、話を盛ってるのかな」と気づき、「ま、でも元気でよかったです」と笑って帰られた。
その時、Nさん(お母さま)はというと、昼食中に「この味噌汁、昨日も出たよ。私は全部覚えてるの」とドヤ顔。
10分前に同じ話3回目だったけど、その記憶力に敬意を表して「さすがです!」と返す私。
今日も、現実と空想の境界線でゆれる認知症ケアの最前線。
「全部信じちゃうご家族」も、「話を盛りまくる入居者さん」も、
そしてそれを全力で受け止める私たち職員も、全員が物語の登場人物。
…明日はどんな新しいファンタジーが飛び出すのか、少しだけ楽しみにしている私がいる。